2013年12月17日火曜日

木造建築の新しいかたち(その38)【短期技術研修:耐震セミナー(第5回)】

 短期技術研修 耐震セミナー「許容応力度計算演習」は、月に1回、全10回で許容応力度計算をマスターすることを目的に開催している研修です。時間は仕事帰りに立ち寄れるように、18:00~21:00を設定しています。

 9月に第5回を開催致しました。そのメインの内容は、梁上耐力壁の剛性低減計算です。

 一般的に木造2階建て以下住宅などの小規模な建物の場合は、構造計算をしなくても良いルート、すなわち「壁量計算ルート」で簡易な構造チェックがなされているにすぎません。その「壁量計算ルート」では、足元が不安定な梁の上に載っている耐力壁であっても、足元は頑強で変形しないことを前提に設計されています。

 しかし、実際は足元の梁を基礎などに完全固定するか、非常に大きな断面にするなどの配慮をしないと、変形がすすみ、耐力壁の見かけの剛性が非常に落ちることとなります。

 そこで、(正規の)構造計算では、梁上耐力壁の場合には耐力壁の剛性低減をするようにしています。

 あるスパンに対して、一般的に利用されるような梁材断面では、その剛性低減による係数は70%程度(かなり丸めて話をしています・・・)になります。




 実務者が普段実施している構造計算不要の「壁量計算ルート」では剛性低減という概念が無いので、皆さん四苦八苦しながら計算演習をしています。

 梁上耐力壁の危険性を計算での検証ですが、把握して頂けたかと思います。