2014年7月23日水曜日

馬瀬 中切地区~社会調査でアート活動や食文化にふれる~


626日と716日、「地域調査法演習」で下呂市馬瀬にある中切(なかぎり)という地区を訪問しました。



前回訪れた際は主に自然調査をしましたが、今回は社会調査の観点から中切地区の方々からお話をお聞きしました。


まずは626日。初めに中切の区長さんより馬瀬で最も人口の多い中切という地区の由来について、大変丁寧にご説明いただきました。


山々に守られているため台風の被害は少ないそうですが、サルによる獣害に悩まされているとのこと。

その他にも様々な課題は抱えられているようですが、恵まれた子育て環境など、明るい話題も嬉しそうにお話くださいました。

 
午後からは2グループに分かれてのヒアリング。


あるグループは、F村さんから「野原のミュージアム」の取り組みについてお話をお聞かせいただきました。

 
肉牛の畜産を主な生業にされているとのことですが、それとは別に、WWOOF(ウーフ)という、お金のやりとりなしで「食事・宿泊場所」と「力」そして「知識・経験」を交換する仕組み(組織)を利用し、WWOOFer(ウーファー)と呼ばれる利用者を受け入れ、ミュージアムづくりのお手伝いをしてもらっているそうです。

 

敷地内にはツリーハウスもあり、大人の我々も大興奮でした。

 


 








この日のシメは、漁協のO田さんによる伝統漁実演!


成長すると一匹一万円の値がつくというアジメドジョウの稚魚など、様々な種類の魚が獲れていました。


 続いて716日。

この日初めにお話しをお聞かせいただいたのは、スローフード&カフェ「橙」のM本さん。

ご自身に大きな影響を与えたフランス研修のお話では、スローフードに対する考え方や、地元や自分が扱う商品に対する誇りと自信、それが魅力につながるということを学ばせていただきました。

その他にも店内外のこだわりや、このお店がいかに地元の方々に愛されているかを、お話を通して感じることができました。

 

この日の午後の初めは、馬瀬の伝統的な料理を「千菜(せんざい)」という本にまとめる中心を担われた、O前さんにお話を伺いました。

 
冬寒い気候が必要で、この土地でしか作られていない「ネズシ」という郷土料理や、旧馬瀬村時代の地域振興の取組など、風土と食とのつがなりを事例を通して学ばせていただきました。

 



この日最後は、旅館と食堂を営まれている「梅本屋」のご主人、F村さんからお話しを聞かせていただきました。

 

なんと、岐阜県のご当地B級グルメとして有名な「鶏ちゃん」は、ご主人であるF村さんが初めて作り、名付けられたとのこと!

 

「鶏ちゃん」という呼称を付ける前は「味付けかしわ」という名前でメニューに載せていたそうで、一同「へぇ~」と思わず感嘆の声を上げてしまいました。

 
その他にも、漁協の理事を長く勤めておられた時のアユの生態や放流のお話なども大変興味深く聞かせていただきました。

 






 
駆け足でのヒアリングツアーとなりましたが、多くの地域づくりのヒントを戴きました。今回はアカデミー卒業生のA池さんの素晴らしいコーディネートがあってのことでした。

実際の地域調査では、自分の足で歩き、自分で住民の方々とお話しできる関係をつくる必要があるのだと先生からアドバイスをいただき、少し気が遠くなる我々でした。

 
報告 山村づくり講座1年 近藤真主(ダニー)