10月9日、美濃市片地(かたち)地区にて、「地域生活実習」という授業で、旧薪炭林であった広葉樹の二次林から、炭材(たんざい)の伐(き)り出しと、炭窯(すみがま)までの道普請(みちぶしん:地域で自主的に行う道治し作業のこと)を行いました。
美濃市片地地区はアカデミーから近いこともあり、地域の空き家を借りて住む学生もいて、集合場所に徒歩で来られるほどの身近な地域です。
炭材の伐り出しを行った場所は、「ものづくり講座」の先生や学生、OB、地域の人たちが、連携して活動している「エゴノキプロジェクト」で、岐阜の伝統工芸である和傘のろくろ部分の材料である良質のエゴノキを切り出している現場でした。今回はその場所で、ろくろとしては使えないサイズに成長したエゴノキや、エゴノキの成長を阻害する他の樹木を、チェンソーや手鋸など伐り出し、再生可能な木質エネルギーとして炭に焼いて地域で利用するという、まさに、再生可能な地域森林資源の多面的利用や、持続可能な循環型の暮らしに繋がる貴重な体験となります。
お昼は、山村づくり講座2年生のIさんが、課題研究調査活動として、「長良川おんぱく」にエントリーした「秋の森でリフレッシュ!ふくべの森散策と野外ご飯」企画ツアーで、薪で炊く羽釜のご飯や、みそ汁を作ることになっているため、その練習を兼ねて野外炊飯となりました。
午後からは、いよいよ炭窯との初顔合わせです。片知では現存している最後の炭窯のようで、多少壊れてしまっていたとのことですが、地域の人達で補修して復活させ、昨年2度ほど炭を焼いたそうです。なおこの炭窯では、白炭を焼くのだそうです。
炭窯の中に入らしてもらうと、奥行きのある長方形の形をしていました。
大人が2~3人入ることのできる大きさになっており、奥にはたくさんカマドウマがいました。カマドウマの和名は竈馬と書くため、繋がりのある生物も居ることにも感激いたしました。
午後のメイン作業である、道普請です。雨により表土の砂と石が流れ出てしまったため、炭釜までの道のりの凸凹が激しく、車が通りにくくなってしまったため、人海戦術により修繕していく作業を行いました。
石と砂が流れ落ちてたまっている場所までの道を笹が覆っていたため、まずは鎌で切り開きました。次に、大、中サイズの石を運び穴を埋めました。なだらかな道にするために、凸凹にならないよう石を並べ、その表面に砂をかぶせていく作業が延々と続き、なかなかの重労働で大変でしたが、修復し終わった道を見ると達成感があり嬉しく思えました。
今回は道を作った後、午前中に伐り出した木材を炭窯の横に運び込む作業までしか出来ませんでしたが、今後、炭を焼くお手伝いなどもさせていただけるとのことなので、参加できることを期待しつつ、これを機会に、地域の皆さんとコンタクトを取って行きたいなと思いました。やはり、炭焼きにはロマンがありますからね。
山村づくり講座 Cr.1年 あいちゃん