2014年10月23日木曜日

「クールな田舎をつくる」飛騨古川の㈱美ら地球を訪ねて


 10月15日の「山村活性化事例研究」の授業で、飛騨市古川町を訪ねました。古川町には、飛騨里山オフィス事業やインバウンド・ツーリズムを行う企業があります。前半は、(株)柳組の竹川恒平さんに、飛騨里山オフィス事業についてのお話を頂きながら、物件を見学させて貰いました。

物件1件目は、数河(すごう)地域に建つ古民家「源七」です。周囲は緑豊かで自然が多く、落ち着いた雰囲気。建物は老舗旅館が活用していたもので、風格を感じました。玄関を入ると右手に厨房、左手に囲炉裏が2箇所と、奥にオフィススペースがあり、電気系統が完備されていました。

 
玄関をまっすぐ進むと階段があります。2階には洒落た作りの客室が数部屋と、小会議室がありました。この物件は1棟貸しなので、ある程度人数がまとまった客が利用するそうです。フリーランスで仕事をされる方や、プロジェクトが組まれた時の関係者が利用する事が多いとか。冬場の貸し出しは行っていません。積雪は多い時には2mに達する事があるそうです。


2件目は、古川の古い町並みの中にある「末広の家」です。下の写真は入り口を外から撮ったものです。周囲の家々の入り口は道路すぐにあるのに対し、この建物は入り口が奥まっていて目を引きました。



この物件も元々空き家でした。家屋の保持に困っていた家主の方から借り受け、サブリースの形で運用しています。街中にある事もあり、稼働率が良いと伺いました。また、お客が中長期滞在するので、周囲の店の客入りがよくなったそうです。競合が起きる事もないようで、なかなかうまいシステムだと感じました。
 

後半は(株)美ら地球を訪ね、取締役の山田慈芳(しほ)さんからインバウンド・ツーリズム戦略についてのお話を頂きました。

 
「クールな田舎」と題した外国人顧客の開拓、地域財産の発掘には画期的なものを感じました。地域に外国人観光客が溶け込み、交流する中で街が潤う仕組みを作り出しているのには驚きました。何より感心し勉強になったと感じたのは、地域を綿密に調べている事、異業種の人々が適材適所で動いている事でした。地域を調べる際の空き家調査では、自治体の関係者と協働していますし、古民家の管理や運営は(株)柳組がされています。当然と言えば当然ですが、できる仕事をできる所がやればよい。そう感じました。


 
最後に、帰り際に撮った写真を。貴重なお話、ありがとうございました!

 
写真と文:山村づくり講座1年 青西