2015年7月5日日曜日

木の器にベストな塗装は何か 〜オープンカレッジ「木の小物・家具・内装の塗装」

森林文化アカデミー・オープンカレッジ「木の小物・家具・内装の塗装」を実施しました。愛知県の玄々化学工業にご協力いただき、着色オイル・水性ウレタン・ガラスコートを塗りました。

「木の器にはどの塗装がベストか」が最近の関心事です。シンナーを使うウレタン塗装が主流ですが、より環境に優しいものが求められています。玄々さんの一押しはガラスコートです。ガラスコート、お聞きになったことはあるでしょうか。ちょっと専門的になりますが、樹脂はシリカ(ケイ素)ベース、溶剤はアルコールで、表面に厚い膜をつくるというより木の内部に染み込んで固まるタイプ。耐汚染性などではウレタンに負けない性能があるといいます。そこで参加者のみなさんに、アカデミー学生が制作したお皿に3回ガラスコートを塗って持ち帰ってもらいました。使ってみてどうなるか、楽しみです。

他にも、シンナーを使わない水性ウレタン塗料をテスト。塗膜性能ではシンナー系のウレタンにはかなわないそうですが、溶剤が水なので有害なガスを出さないため、住宅の床や壁に現場で塗るのに適しています。
ツヤ消しからツヤありまで、いろいろ選べます。


もう一つ、着色オイル塗料です。顔料を含んでいて古民家の内装リフォームなどに適しているとのこと。これまでは2回以上塗って仕上げるのが普通でしたが、これは1回塗って拭き取れば仕上がるそうです。使う人のニーズに合わせ、塗料も進化し続けています。


塗料は化学的な知識が求められるため難しいのですが、木と快適に付き合うためには知っておきたい情報です。繰り返し学ぶことで理解が深まることもあります。森林文化アカデミーでは毎年いろいろなメーカーにご協力をいただいてこのような塗装講座を実施していますので、何度も受講して製品を比較したり、知識を深めてもらえればと思います。また、このような機会にメーカーの方に「こんな塗料がほしい」とユーザー側の意見を伝えるのも大切なことですね。