2012年8月3日金曜日

施業プランナー 育成研修 第8回目開催

施業プランナー 育成研修 第8回目開催

 施業プランナー育成研修が始まって三ヶ月、今回は第8回の研修として
1)目標林型と森林施業
2)生産性の把握とコスト
3)製材工場が求める原木規格
 という一見、何の関係もないように思われがちな項目について、森林文化アカデ
ミーの横井教授、杉本助教、県産材流通課の中通技術主査に各々担当して頂き
ました。



 最初に「目標林型と森林施業」です。この項目はこれまで何度も研修した内容で
すが受講者からのアンケートを見たところ、充分な理解がなされていないことがわ
かり、 「目標林型とは何か」を知る。「目標林型と間伐には密接な関係があること」
を知る。「施業プランを立てるとき、常に目標林型を意識しなければならないこと」
を知る。 ことがこの内容の到達目標です。
 万が一、目標林型が設定されていないと、
 1)行き当たりばったり、その場しのぎの作業(の繰り返し)になりやすい。
 2)間伐と称した収奪的な伐採に陥る危険性がある。
 3)次回以降の間伐(収穫)計画が立てにくい。
   →  このため、持続的な林業経営が成り立たなくなります。



 講義の中では「目的機能と目標林型」、「木材生産林の目標林型」、「生産林の
目標林型の考え方」に分けて、説明頂きました。
 針葉樹大径材生産の目標林型を考えると、構造材や板材生産で、人工林の成
熟段階そのためには長伐期施業または択伐林施業となります。この場合、一斉林
であれば、積極的な間伐(主伐までの途中での収穫)が必要であり、択伐林であ
れば成長量を超えない範囲での収穫と確実な更新は必須となります。




 伊勢神宮の宮域林、三重の速水林業、山県市の中原林業を事例に、目標林型
について学んでいきました。



 例えばヒノキを例にとれば、「ある直径を実現できる本数密度がある」、つまり本
数密度が高過ぎるとある直径階に到達できない。
 これを60年生以上のヒノキ林にあてはめると、写真のようになる。立木の「直径
に影響するのは林齢よりも本数密度」であることがわかります。




 また、同じ樹高の個体を抜き出して、その樹冠長と直径階を比較すると、「枝下
高の低い(=樹冠長の長い)個体の直径が太くなっていることがわかります。
 これって、わかっているようで、わかっていない。案外理解されていないこと。

 現在、どれだけ枝が枯れ上がっているのか。将来、どれだけ樹高が高くなって
樹冠長がどれほど稼げるのか。これが将来性のポイントとなります。






 次ぎに、「生産性の把握とコスト」です。内容は、「低コスト化の目的」、「コストの
捉え方」、「コストマネジメントの実行」、「現場の生産性向上に向けて」です。
 木材価格が低迷しているのはご存じのところですが、スギ材1立方メートルで雇
用可能な伐出労働者数を見ると、昭和35年当時はスギ材1立方メートルで11人を
雇用することができました。しかし、平成6年頃にはスギ材1立方メートルで1人を
雇用するのが限界になってきました。
 これは木材価格の下落と、賃金の高騰が原因です。




 講義の中では「固定費と変動費」、「損益分岐点」、「減価償却費」などについて
学びました。
 作業における付加価値作業(伐採や造材)と非付加価値作業(集材や運搬)に
ついて、胸高直径と搬出コストについて、日報データの重要性、日報作成の注意
点、生産性向上のための5B
  (Bottle necks、Balance、Buffers、Break downs、Blunders)についてなどなど、
様々な項目を学びました。
 一般に収穫に用いる高性能林業機械の稼働日数が少ないと搬出コストが嵩み
ます。
 

 しかし、中古の高性能林業機械を自前で修理しながら減価償却費を低く抑え、
同時にプロセッサーの稼働率を最大になるように木材の流れを滞らせない作業
システムを導入している事例の紹介もありました。



 最後に、中通技術主査による「製材工場が求める原木規格」です。
これまでの県産材需要の大半は「柱」を中心とした建築用材でした。しかし、立木の
大径化によって、建築用梁桁材や合板利用の可能性が大きくなってきた。
 木材流通も従来のような複雑な市場や問屋流通は減少し、システム販売や山土
場選別などが主流を占めてきた。
 また合板工場や集成材の大型工場ではリングバーカーやツインバンドソーの大
きさから太い丸太が利用できない現実もある。丸太の生産は3m、4m、6mとなって
いるが県産材住宅の梁桁材を調べると6m材よりも5m材の方が圧倒的に多い。
 つまりプレカット工場では5m材を欲しい現実がある。



 梁桁材について考えると、強度(ヤング係数)が問題となるが、未成熟材を含む
元玉はヤング係数が低くなるため、市場の丸太のヤング係数を測定すると、太い
ものがヤング係数が低い結果となる。

 最初の「目標林型と森林施業」は、最終的にこの市場が求める木材につながる
必要があります。木材を使う側の視点に立った森林施業とそれを利用する生産、
伐出作業のすべてがうまく行って、持続可能な林業となるのです。

 今回は一日中、室内での講義でしたので、みなさんご苦労様でした。次回は8月
17日に東濃共販所です。暑い夏に負けず、頑張って研修を乗り越えましょう。

 以上報告、ジリこと川尻秀樹でした。

「森で教える!?国語・算数・理科・社会」の研修が実施されました


短期技術研修「木育・森林環境教育 指導者研修」が森林文化アカデミーと
県林政課との共催で実施されました。

参加されたのは、小学校教員・自然学校等の職員・行政職員など、
木育や森林環境教育を指導する立場にある方々です。

現在、多くの学校において、総合学習の時間を中心に自然体験活動等として、
木育・森林環境教育が展開されています。
しかし、「体験するだけで、学びや生活につながらない」「やらねばいけない科目
が多く、環境教育を実施する時間が足りない」といった課題もあります。

そこで、国語・算数・理科・社会・体育・音楽をはじめ、小学校教科の殆どを地域
の森や自然を活かして展開で知るということに着目しました。
「森を教える」のではなく、「森で教える」というアプローチです。
 

まずは、「初めまして」の皆さんが多いのと、「研修」ということで、硬い表情
のみなさん。



でも、アイスブレイクですぐに笑顔に!



その後、講師のアカデミー教員萩原のミニレクチャーを受け、
 

森へ「あるもの」を探しに出かけました。




さて、何を探しにいったのでしょうか?

に掲載していただきましたので、ご覧ください。


参加者からは、

「各方面の方と話ができ、貴重な体験でした。」

「教員以外にも熱意をもっていただいていることに強い力を感じた。」

「学習指導要領の内容について、体験の中で実現する方法があることがわかった。」

「もっと多くの方(教員)にこの研修を受けてもらいたい。」

といった感想が出されました。


今回の研修では、木育・森林環境教育に関わる異分野の方々の意見交換の
良い機会となり、課題も見えてきました。


「森を教える」から「森で教える」と、少し視点を変えるだけで、いろいろな

ものがつながるのかもしれません。


2012年8月2日木曜日

森と木の就職・転職セミナー 追加開催決定






東京、名古屋で開催し、好評だった「森と木の就職・転職セミナー」が地元、岐阜に引き続き、大阪、名古屋でも追加開催が決定しました。
森林・林業、山村活性、環境教育、木造建築、木工・木育の分野について、現状抱える課題や、解決していっている取り組み、そのためにどんなことを学ぶ必要があるか、など解説します。


それぞれの会場別で申し込んでください。
大阪会場

9月9日 10:00〜16:00
10:00〜森林・林業
11:00〜山村づくり、環境教育
14:00〜木造建築
15:00〜木工・木育
〒532-0011 大阪府大阪市淀川区西中島6丁目5−3 サムティフェイム(貸会議室)

大阪会場 申し込み

名古屋会場

9月16日 10:00〜16:00
10:00〜森林・林業
11:00〜山村づくり、環境教育
14:00〜木造建築
15:00〜木工・木育
〒453-0013 愛知県名古屋市中村区亀島2丁目1−1 名古屋会議室・新名古屋高架新幹線口店(貸会議室)

名古屋会場 申し込み


森や木に関わる分野の仕事に関心はあるけれど、どんな仕事があり、どんなルートでそこにたどり着けるのか。また、実際に食べていけるのか、など分からないことばかりで、一歩を踏み出せない・・・そんな人も多いのではないでしょうか。

この分野の人材を育て、送り出してきた森林文化アカデミーが、みなさんの疑問にお答えします。少しでも多くの人にこの分野を目指してほしいとの思いから、他の教育機関や就職へのルートについても可能な限りご紹介します。
(具体的な求人情報や就職先をご案内する内容ではありませんので、ご了承ください)

『Kさんのお話を聞く会』に参加させていただきました。


 
中津川市加子母地区が合併する以前、村長を務められた、Kさんのお話しを聞く会に参加させていただきました。

 
午後7時、ご自宅にKさんをお訪ねしました。

 
「いちばん、自然の山でいいっていうのは、炭焼きですね」
山への思いを数々語られるKさん
とても米寿(88歳)とは思えない元気な語り口です。


帰り道、有志で『ゆんたく』しました。(沖縄の言葉で「おしゃべり」の意)
山村づくり講座 ふじお 記

《Kさんのお話しの一部聞き取り》
昔から経験的にずうっとどういう山がいいっていうことに
決まっているんですよ
いちばん、自然の山でいいっていうのは炭焼きですね
どんだけでもそこに生えている木が全部使えた。
大体、30年生から50年ぐらいの間の木を使いますから、
成長量がこれか落ちるときに切っちゃう、皆伐ですから、
3年、4年、経つと人間の背丈をはるかに越えるような大きさになる
15年ぐらい経つと、キノコが生えてくるんです。
キノコを採りに行くときに、前向きに通れないんですよ。
蟹の横ばいのように、横向きに入って行ったんですよ。
ビッチリ生えていて向こうが見えないんですよ、魚を捕る時のタモのくるっと丸いとこを作ったり、寿司屋の天井竿とか、一本で太さが同じ自然のものを使った
炭焼きの後には、そういうのがいっぱい出てくる40年、50年で伐って、また、生えてくる
それの繰り返しですから自然の環境には、製炭(炭焼き)が一番いいと思う
水源涵養機能から言っても、非常にいいでしょもうひとつは、新しい芽が出てくると新しい根も伸びるでしょう集中豪雨なんかに耐える能力(ちから)が一番有るでしょう

『枯れたスギの根が黒かった』
『スギ、ヒノキの植林の功罪』
『何処に植えても黒くならないスギ』
『人工林の木の根の交差しなし』
『立木売買の難しさ』
『見えるとこの山は、萱場だった』
等々

山村暮し必須の仕事 『草刈』のお手伝い


山村づくり講座 「地域活性活動実習」で、中津川市加子母の地域リーダーであり、アカデミーが授業などで大変お世話になっている、農林業家Yさんを訪ね、自宅まわりの草刈のお手伝いさせていただきました。


午後は、石川県からご家族で加子母にIターン移住し、農業で生計を立てている30代の田中さんにお話を伺いました。



田中さんは9年まえに加子母の農業法人に採用され5年間修行して、4年前に独立されたそうです。畑やハウスも借りられて、野菜の苗づくりと路地栽培の収入がほぼ半々で、お子さん二人とご夫婦の4人暮らしをされているそうです。お話しのなかで感心させられたことが有ります。地元のお年寄りが路地で栽培している野菜と競合しないようにいろいろ工夫されているそういです。
また、田中さんは、「世帯主は入らなくていい」と云われた消防団に自ら入団されているそうです。

山村づくり講座 ふじお 記

森と木の就職・転職セミナーin札幌 特別ゲストが参加します!


6月に東京と名古屋で開催して好評だった「森と木の就職・転職セミナー」、8月は札幌です。何と特別ゲストが参加してくださることになりました!

特別ゲストは、木工デザイナーでKEM工房主宰、そして「木育ファミリー」代表でもある煙山泰子さんです。
「木育」という言葉が北海道で生まれたことはよく知られています。その言葉に込められたメッセージをさまざまな分野と連携しながら伝え、広める活動をしているのが「木育ファミリー」で、その中心的存在が煙山さんなのです。

セミナー当日は、木工・木育分野を中心に、森林・林業、山村活性、環境教育、木造建築とさまざまな分野のお話をしますが、煙山さんにも加わっていただけるようになったことで、北海道内の木工・木育事情も詳しく聞けると思います。
この分野への就職・転職に関心のある方、ぜひご参加ください!(お申し込みが必要です )


〜森と木の就職・転職ミニセミナー in 札幌〜
森林・林業、山村活性、環境教育、木造建築、木工・木育の分野について、現状抱える課題や、解決していっている取り組み、そのためにどんなことを学ぶ必要があるか、など解説します。
森や木に関わる分野の仕事に関心はあるけれど、どんな仕事があり、どんなルートでそこにたどり着けるのか。また、実際に食べていけるのか、など分からないことばかりで、一歩を踏み出せない・・・そんな人も多いのではないでしょうか。
この分野の人材を育て、送り出してきた森林文化アカデミーが、みなさんの疑問にお答えします。少しでも多くの人にこの分野を目指してほしいとの思いから、さまざまな教育機関や就職へのルートについて可能な限りご紹介します。

 日時:2012年8月16日(木) 18:30~20:30
場所:札幌エルプラザ内・男女共同参画センター大研修室A
060-0808 札幌市北区北8条西3丁目
お申込み:http://goo.gl/t29Dn のフォームからお願いします。
問合せ: 090-8488-3341(久津輪)

2012年8月1日水曜日

奨学金顕彰レリーフ

 森林文化アカデミーの学生に対して、ご厚意により、ご支給いただいている「奨学金」があります。(「森林文化アカデミー奨学金(大垣共立銀行)」「十六銀行岐阜県森林文化アカデミー奨学金」「森林文化アカデミー奨学金(岐阜信用金庫)」「美谷添奨学金」)

森林文化アカデミーでは、この奨学金に感謝し、顕彰レリーフを作成しました。学内の図書閲覧室に展示して、本学の学生等へご功績を周知しているところです。



この奨学金のおかげで、学生は、一層、勉学に励んでいます。 
  投稿者:事務局下村