本講座では,アカデミーの教員の玉木と森林研究所の茂木が,樹木の保全と利用に関する最新の研究を遺伝的な視点から紹介しました。遺伝的な研究というと,難しく聞こえがちですが,それを市民向けに分かりやすく伝えるのが今回の講座の役割となります。
まずは,玉木から「天然林における遺伝子の流れ」というタイトルで,天然林に生育する樹木が,花粉や種子の散布を介して,どのように遺伝子をやり取りして世代を重ねているのかについての話をしました。遺伝子の流れのメカニズムを簡単に紹介したあとで,トチノキやシデコブシ,ブナ,ヤマザクラ,ハナノキなどの研究を紹介しました。
次に,茂木から「少花粉スギ・ヒノキ品種の利用」というタイトルで,全国的な花粉生産の少ないスギやヒノキに関する話や,岐阜県の取り組みを紹介しました。岐阜県はヒノキ人工林が多いのですが,少花粉ヒノキに関する情報はスギと比べるとまだまだ少なく,先駆的なヒノキの育種や増殖に関する研究を紹介しました。
またこのような機会があれば,最新の研究トピックや,アカデミーや森林研究所の研究成果を紹介したいと思います。