今回は施業プランナーが山や木材以外の知識として身につけるべき
1.プレゼンテーション技法
2.コミュニケーション技法 の一端を学び(これについては、上級研修でみっちり実施します)
これに加えて、普段私たちが知らないことの多い
3.東海木材相互市場の複式市場 などについて学びました。
講師はプレゼンが森林文化アカデミー木造建築講座の辻先生、コミュニケーションはジリが、
そして東海木材相互市場の複式市場については、東海木材相互市場の石井常務さんです。
最初にプレゼンテーション技法、辻先生は実際に林業の座談会(境界明確化、集約化のための)
にも参加され、「現場でどのようなプレゼンがなされているのか?」を下調べした上で、このプレゼ
ン技法を指導してくださいました。・・・さすが、実践が売りのアカデミーの教員です。
最初にプレゼンテーションは
「限られた時間で必要な情報を正確に伝達し、相手を説得させる行動」であることを図解で
説明。つまり、文書も良いが図示することで関係性も見えやすくなることを示唆されました。
また、プレゼン時間は、理想的には20~30分、これは集中力の問題から。
◆プレゼンと企画の違いについてもふれられました。
プレゼンの流れは様々ありますが、大別して以下の3つ
◆課題提示型・・・現状の問題点を解決のために説明するのに有効
◆順次説明型・・・結論までが長いときに有効
◆結論先行型・・・結論に魅力があるときに有効
他にも文字の大きさ、行数、フォント、画面上の上下関係、見る人の目の動き、図表や見出しの
位置関係など、ちょっとした工夫でうまくプレゼンできることを教えてくださいました。
他にも、プレゼン中に誤っておかすことが無いように、「債務不履行責任」、「クレーム対応」、
「消費者契約法」、「個人情報保護法」、「公益通報保護法」などについても紹介してくさいました。
最後には、実際に辻先生が国土交通省などに「美濃市道の駅 にわか茶屋」をプレゼンされた
実際のプレゼンを見せてくださって、その説得力の効果を実感させてくださいました。
次に、ジリの「コミュニケーション」です。
コミュニケーションは、通常「言葉」という手段で行われると考えがちです。実際、言葉という道具がなければ、コミュニケーションはやりにくいものですが、言葉は不完全な道具であることも忘れてはなりません。
コミュニケーションにおける意味の伝わり方を研究したアメリカの行動科学者アルバート・メラビアンは言葉、声の調子、態度が意志の疎通に関わる率を[言動の3要素]として次のように発表しています。
意志の疎通(言動の3要素) 言葉 : 7%
声の調子 :38%態度 :55%
今回は「伝言ゲーム」や「話を聞いて絵を描く」、「傾聴訓練」など、様々なゲームを通してコミュ
ニケーションを体感しました。
最後に コミュニケーションでは
▼メッセージを伝えることだけに全力を注いではいけない。
▼雑談や近況の情報交換が重要。
施業プランナーであるために
▼ 雄弁である必要はない。▼ 饒舌である必要はない。
▼ 誰しも最初から話し上手でない。
▼ 聞くことから始まる信頼感が重要。
3人目は東海木材相互市場の複式市場については、東海木材相互市場の石井常務さんによる
講義です。
常務さんからは、「そもそもどうして東海木材相互市場ができたのか?」から始まり、会社の概要
説明、年間取扱量などについてお話をお聞きしました。
現在東海木材相互市場は13社からなり、岐阜県内には「サテライト美並」を開設されています。
今の木材価格は 1.景気の後退、 2.円高による外材流入 の2点のあおりを受け、スギだけ
でなくヒノキの価格も下落してきている。しかし、近い将来、もっと厳しい現実がくるかもしれない。
東海木材では年間に110000m3以上の素材を取り扱っており、安定した価格で、しかも相場は
毎週新聞発表され、木材の値崩れがし難いような仕組みを採っている。
東海プレカットと言う、木材持ち込み専門のプレカット工場もあり、そのメインには大工の墨付け
プレカットを見せる大工小屋もある。他にも木屑ボイラーも設置し、「木質バイオマスボイラー活用
プロジェクト」を立ち上げて、東日本大震災復興支援型国内クレジット活用を実施し、岩手県、
宮城県、福島県に継続的に寄付できる仕組みを動かしています。
他にも二酸化炭素を少しでも排出しないための乾燥施設(東海エコドライシステム)や山土場
機能を持たせた「サテライト美並」、、近々愛知県設楽町に開設する「サテライト名倉」など、東海
相互市場関連事業について説明を頂きました。
加えて、愛知県で開催されたCOP10会場の合板を、愛知県産材に転換させた話や、市町村の
木材利用方針の策定状況などにもふれられ、幅の広い木材に関する有意義な講義を受けたの
です。
ちなみに、「市町村の木材利用方針の策定状況」は、岐阜県はわずか作成率14%、6市が策定
しているに過ぎません。もっとも、行政が率先して木材を使わなければ、民間の利用に拍車がかけ
られません。
なんとかして、もっと木材の利用が促進できることを願いながら、石井常務の講義をお聞きしたのです。
今回も講師を務めてくださいましたアカデミーの辻先生、東海木材相互市場の石井常務さん、本当に有り難うございました。