クリエーター科 林業再生講座の 「木材の流通と販売戦略」 の最終回開催
林業の現場を管理したり、コーディネートする人材を育てる林業再生講座、その中で川下側で
ある原木流通や木材利用を勉強するのが、この「木材の流通と販売戦略」です。
今回は岐阜県庁県産材流通課の中通技術主査をお迎えして、最初にジリがこれまでの講座の
ふり返りをしました。
「木材流通の現状と課題」では、人工林蓄積の今昔にはじまり、素材生産量、原木市場につい
て、A材の製材工程、乾燥工程などの内容から、木造建築とのミスマッチ(乾燥や納期、寸法規格)
の課題が発生していたことを再確認。
また、B材・C材について合板や修正剤、チップ、ペレットにする場合の課題を再確認。
「新たな木材流通・販売を考える」では大型工場の誘致や既存工場の活用、森林・流通認証に
ついての課題確認。さらには岐阜林産システム推進センターで得た森林制限の見方、林地での
用途別仕分け、機械造材での課題確認。
岐阜木材ネットワークセンターでの直送システム課題、山土場、県森連原木市場、東海木材相互
市場サテライト美並、本庄工業の製材工場などの課題。
様々なふり返りをしました。
続いて、そうしたふり返りをした上で、『杉の大径材「長良杉」の新たな販売戦略を考える』と称
して、ブレーンストーミング的に付箋に項目出ししてもらい、それを中通技術主査にどのような販売
戦略をとることができるか分類分けしてもらいました。
項目は様々、一人で10案考え出す学生さんも! 発想が豊か!
一番の売り込み先は「外材しか利用していない場所」でもあります。
一枚一枚、中通さんとジリで分類して、ジャンル分けします。たとえば、山側と作り手(利用側)
などに大分類して、その中身を少し小分けして行きます。
最終的に中通さんは、この「東海地区を拠点とする大手の喫茶店などとの共同事業が面白い。」
と選ばれたので、それを中心にどのように動けば新たな販売戦略になるのかを全員で考えました。
このチェーン店は、木材をふんだんに使った店舗をオープンさせていますが、大半が外材です。
ひょっとすると、すべてが外材に近いのかもしれません。
そうした店で、いかにエコに訴えるのか。木材の良さをアピールするのか。割り箸とセットで提案
できないか。県職員の職員研修の場としても提供してもらい、同時にPRできないか。長良杉エコ
ポイントはでないか。・・・・・多数の意見が出てきました。
実は、この中から来年度の施策に反映できるものはないかも探っていたのですが、果たして結果
はどうなるのでしょうか?
とにかく山側に立つ「林業再生講座」ですが、川下から考えた木材生産、川下のニーズに応える
木材生産できる人材となってくれることを期待して、最後の講座を終えたのです。
以上報告、ジリこと川尻秀樹でした。