2014年11月25日火曜日

【生涯学習講座】 人工林の手入れを学ぶ



 生涯学習講座『身近な森の手入れ-人工林編-』が開催されました。この講座は、2回ものの連続講座の2回目です。この講座は、プロではない方がご自身の所有山林あるいは地域の山林を手入れするときにお役に立てるようにと企画したものです。

 今回は、身近なところにあるスギやヒノキの人工林を手入れするために必要な知識と技術の一端を身に付けていただこうという趣旨の座学と実習です。

 最初に、今回の講座の主任を務める原島さんからの、人工林のお話しです。人工林とはどのような森林か、日本の人工林はどのようにできてきたか、その役割は、現状がどうなっていてどんな課題があるのかなど、私たちからすればぜひ知っておいて欲しいところをお伝えしました。



 その後は、演習林に移動して、実習です。

 最初に、森林の現況を把握するための、ごく簡単な調査を行いました。相対幹距による混み合い度、代表的な林木の形状比などを調べ、現況を客観的な指標で押さえます。同時に、下層植生などを含めた林相を観察し、感覚も加味した評価も行います。調査したヒノキ林は、適性もしくはほんの少し混み合い始めているということがわかりました。



 その次は、手入れ作業の実習です。部分的に混んでいる箇所で、間伐を行いました。ここでは、どの木を育てたいのかを決め、そのじゃまをする木はどれか、それを間伐する必要があるか、伐るならどっちの方向に倒すかなどを、順を追って検討します。そして、いよいよ伐倒作業です。安全面に十二分に配慮して、狙った方向に木を倒す練習をしました。作業は、手ノコで行いました。受け口をきちんと作るところで少しの苦労、かかり木になったものを外すのにちょっとの苦労をしましたが、ほぼ狙いどおりに、きれいに倒すことができました。伐倒した本数はわずかでしたが、基本的な所作は覚えていただけたと思います。




 この連続講座を通じて、「目的を持ち、目標を置いてどんな手入れが必要かを考えること、そのためには現況を把握するのが大切なこと、そのためには基礎的な知見を持つことが重要なこと、これに作業の技術が加わって始めて実りある手入れができるということ」をお伝えしたかったのですが、いかがだったでしょうか。皆さんの今後の活動の糧になれば、幸いです。